2015.08.25 Tuesday
アカデミア美術館 ヴェネチア
夏のヴェネチアはどんな感じかと思って来てみたのですが、人が多くてかないません。ゴンドラ漕ぎも大忙しです。ここは阿呆な観光客が騙されるためにある町です。
ヴェネチア派絵画が集まっている美術館ということで、アカデミア美術館に来てみたのですが、実はかなり偏りがありますね。ティントレットが多いです。ベッリーニの聖母子像も山ほど見れます。カラバッジオがないのはまあ分かるとしても、ジョルジョーネなんか「嵐」しかありません。絵画を線描から解放した画期的な画家なんですけど、まあほとんど外に持ってかれてるんですねえ。
これはヴェロネーゼ
しかしながら、ドゥカーレ宮では画が大きすぎてよくわからないティントレットの画が、いかに劇性を盛り込んだものかについて、じっくり見ることができます。まあよくここまで考えるものだと感心します。
また、宗教画の人物についても、16世紀当時のヴェネチア人の服装に置き換えて描かれていてとてもおもしろい。
宗教画の多くはスコーラという、同じ宗派を信仰する人たちの組合から依頼されたもので、その組合の人たちが画の中に描き込まれたりしています。
16世紀のヴェネチアの風俗がわかるものになっています。サンマルコ広場も、大鐘楼は建っていたものの、時計台はまだ無かったことが分かります。
あと、ほぼすべての画がキレイに修復されていて、とても見やすいです。
マンテーニャ
なおティントレットは、サルーテ教会の聖器具室に、大きな「カナの婚礼」と、その天井に小さく「アベルの殺害」「イサクの生贄」「ゴリアテを倒したダビデ」の画があって、こちらもおもしろいです。