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バルベリーニ美術館 カラヴァッジョ「ナルキッソス」「瞑想する聖フランチェスコ」 ローマ市内観光 [イタリア2015]
バルベリーニ美術館バルベリーニ美術館

ちょっと入口がわかりにくいんですよね。地下鉄バルベリーニで降りてトリトーネの泉を見て、大通りのバルベリーニ通りじゃなくて、ヴェネト通りと反対のクワトロ・フォンターネ通りを50メートルばかり上がったところに、何かの映画で観た門と建物が・・・。わかんねえよなあ、ガイドブック無しでうろうろしてるんだから・・・
「ローマの休日」でアン王女が滞在していたのはここなんですね。

当初設計者が死んで、その後をベルニーニと、ボッロミーニという、ローマバロック最大のライバルが引き継いで作った建物です。
建物自体もおもしろいです。正面向かって左側の美術館に上がる階段がベルニーニ、右手の階段がボッロミーニの作で、各々の特徴をよく示している対照的なところがおもしろい。

ベルニーニの階段
バルベリーニ美術館

ボッロミーニの階段、いかにも!
バルベリーニ美術館

切符売場で「今日は2階しか見れないよ、今日だけ」といわれる。しかも7エウロの通常料金。エーッ、じゃあフィリッポ・リッピが見れないじゃんと思いつつ、しかし7エウロでカラヴァッジョが3枚見れるのなら激安とも思います。
わたしはカラヴァッジョを見たいと思ってやって来たのですが、この美術館は建物と同じで、バロック期の絵画を幅広く展示していてなかなかおもしろいです。16世紀にすでに自然主義がかなり広がっていて、それが逆に宗教画に影響していたことも分かります。

カラヴァッジョの「ナルキッソス」「瞑想する聖フランチェスコ」、この部屋にはカラヴァッジョに直接影響を受けた人たち(カラヴァッジェスキ)の絵も飾ってあるので、それと比較して思うのは、カラヴァッジョの画から受ける強烈な印象は、彼の性格から来る逆説的な表現テクニックによるものだということです。

バルベリーニ美術館

つまり、ナルシスにしても、聖フランチェスコにしても、見ている人がいちばん知りたいのは彼らの顔や表情ですよ。でも、まったく関係のないところに強烈な光を当てることで、顔が見えなくなってしまっています。ナルシスのほうはもっと手が込んでいて、水面に映った顔は実際の顔よりややこちらを向いていて、光の当たり具合によってはもっとよく見えそうなものなのに、見えません。
関係のない肩や、膝小僧だけがハッキリくっきりしていて、肝心要のところは見せてくれないんです。この飢餓感。そこには美少年であることまちがいない顔や、神に選ばれた聖人の悩める顔があるにもかかわらず、見えないから自分の想像力で埋めることを強要されます。
その見えなさ加減の嫌らしさが、凡人と天才では違うということが、他の似た作品と比較して確認できます。

バルベリーニ美術館

それがカラヴァッジョが画の中に潜ませたマジックなのではないかと今回思いました。実に彼らしい、見る者の意識にまで長い手を突っ込んでくる画なのではないでしょうか。
で、彼らしさが極まった代表作とも言える「ホルフェルネスの首を斬るユディット」・・・ありませんでした。イッツ・ゴーン。しくしく。
なんかいろいろ工事してて、ラファエロの「ラ・フォルナリーナ  」も別の部屋に他の作品ごと移されてるんですよね。まあいっか。
バルベリーニ美術館
これは、バラティーナ美術館の「ヴェールを被る婦人の肖像」と同じモデルなんだろうな。

で、展示室から大広間に出て、天井画をなんとなく見ていると、ぐんぐん天井が高くなっていきます! 何とこの天井画、えらい奥行きのある立体画なんですよ。ピエトロ・ダ・コルトーナの天井画です。
寓意画で、バルベリーニ家のシンボルである蜂もたくさん描き込まれています。これは視覚的にかなりおもしろい体験です。
バルベリーニ美術館バルベリーニ美術館バルベリーニ美術館

隣の部屋には、このピエトロ・ダ・コルトーナの作品がいくつもあります。これは「サビーニの略奪」。
ボッロミーニ

マニエリスム
バルベリーニ美術館

ヘンリー8世 ホルバイン
バルベリーニ美術館
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