富山市の県立中央病院(野田八嗣院長)は26日、精神病棟(50床)で入院患者向けに処方された向精神薬を含む62錠を紛失したと発表した。事故対策チームを設け調査を進めているが、盗難の疑いもあるとして富山中央署に届け出た。
紛失したのは睡眠導入剤のハルシオン19錠、抗不安剤のレキソタン20錠の向精神薬2種類のほか、安定剤のデパス19錠、睡眠導入剤のアモバン4錠。いずれも看護師らが詰めるスタッフステーションで保管していた。女性看護師が25日、5人分の薬の紛失に気づいた。
ステーションのドアには常時鍵が掛けられており、監視カメラも設置されているが、薬の保管棚は鍵付きではなかった。
同病院は同日午後、医師や看護師ら約40人から聞き取り調査を実施。監視カメラの記録からはこの数日間、不審者の出入りは確認できなかったという。
麻薬及び向精神薬取締法は、鍵をかけた場所での向精神薬の保管を定めているが、野田院長はステーションに鍵が掛かることを理由に「管理に問題はなかった」と説明。今後は、鍵の掛かる保管棚を利用するなど再発防止に努めるという。